《エロティック‡クエスト》無器用娘の無器用恋愛術
《エロティック‡クエスト》無器用娘の無器用恋愛術
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マリィベルの頭の中は真っ白になっていた。ただ『シオン』と言う名前だけがグルグルと回っている。
「シオン…って、確か……」
その名前はこの町に住むものなら誰でも知っている。もちろんマリィベルも。
「そんな……でも…まさか……」
考えがまとまらないままマリィベルはベッドから体を起こし、隣で眠るグランを見た。
「あ……」
そのときグランが首にかけていたペンダントがマリィベルの目にとまった。それは恋人同士が互いの写真を入れるペンダントだった。
マリィベルがペンダントに手を伸ばす。
見ない方がいいのは分かっている。しかし確認せずに入られなかった。
恐る恐るペンダントの蓋を開けた。
「…………そっか……そうなんだ……」
写真にはグランとシオンが二人一緒に写っていた。二人とも幸せそうに笑っていた。そこにマリィベルが入る隙はありそうもなかった。
「『惚れ薬』じゃ……本当の愛には勝てない、か……」
マリィベルは『惚れ薬』によってグランと結ばれたが、それは体だけのこと。心を動かすことはできなかった。結局グランが見ていたのは最後までシオンだったのだ。
マリィベルの頬を悲しみの涙が伝っていった。
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