嬉し涙の跡
嬉し涙の跡
流幻


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お昼休みの教室で起きた事件。
ずっと片想いだと思っていた彼からの、突然の告白。
彼は教室中の視線を浴びながら、大声で私への想いを伝えてくれた。
恥ずかしくて、でも嬉しくて、私の目から涙がこぼれた。
嬉しさのあまり、うまく言葉が出てこなくて、私はただ頷き続けた。
彼はみんなの目の前で、泣いている私を抱き締めてくれた。
あのとき見せた、彼の笑顔。
思い出すだけで、幸せな気持ちになってくる。
私は目を開き、しおりを挟んである思い出のページを開いた。
かすんでいる文字。
嬉し涙の跡。
私はそれを人指し指でそっと撫でると、小説を閉じ、顔を上げた。
いつものように、時間通り。
あのときと変わらない笑顔を浮かべ、最愛の人が目の前にいた。
その顔を見ていると、私はまた幸せな気持ちになってくる。
幸せすぎて、あのときのように泣いてしまいそうだ。
彼は立ったまま、少し冷めたカフェオレをぐっと一息で飲み干した。
そして私へ右手を差し出す。
私は幸せの涙をこらえ、彼の手を取ると椅子から立ち上がった。
彼に手を引かれて、私は歩き出す。
テーブルに置かれた二つのカップがだんだん遠ざかっていく。
私達を見送るように、またそよ風が通り抜けていった。

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