MATURE?危険な子供たち?
MATURE?危険な子供たち?
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そんな陽平を救うかのように、担任の先生がガラッとドアを開けた。塞いでいた陽平は綿帽子のように後ろへ吹っ飛ぶ。
「おいおい、何やってんだお前ら。チャイムはとっくに鳴ったぞ。早く席に戻れ」
ほどよく日に焼けた褐色の腕が、白いポロシャツから伸びている。その腕が二人の肩をポンと叩いた。
「触んじゃねぇよ!!」
自分の肌に手が触れた瞬間、陽平はものすごい勢いでそれを払い除けた。
そしてまるで汚いものを見るような、蔑んだ目で担任を睨み付けると、そのまま無言で席へ帰っていく。
険悪なムードにシンとなる室内。先生は驚きと困惑の表情を浮かべている。
全員が、鬼か悪魔を見るような目で陽平を伺い、火の粉が自分達に降り掛からないかとビクビクしている。
しかし美佳は、美佳だけは、何か企んだような、そして見下したような眼差しで、陽平の背中を静かに見追っていた…―。
放課後、所属しているサッカー部での部活動を終えた陽平は、数人の友達とワイワイ騒ぎながら、帰りの道を歩いていた。
「あ、やべえ。ケータイ忘れた。」
いつも自分のポケットに入ってるはずの携帯が、どこを探しても無い。
そして、そういえば5時間目に机の中でいじっていた所を先生にバレそうになって、慌てて机の奥に突っ込んでそのまま忘れていたことを思い出した。
「ついていこうか?」
「…いいや、先帰ってて。バイバイ」
早口気味にそう言うと、全速力で学校へ引き戻る。
心臓が、ドクンドクンと身体中に響き渡る。
それは、酸素が行き届かないゆえの鼓動の高鳴りだけではなかった。
―どうしよう、また…
また…見てしまったら…
あれは、一ヵ月前、宿題のプリントを忘れたことに気付いた陽平は、今日みたいに一人で教室へと駆け戻った。
―誰もいない、夜の学校は何とも言えず不気味で、陽平は少し身を屈めながら自分の教室へと急いだ。
「―っ!…」
すると、教室から何やら音が聞こえてきた。
高い音と、低い音。
高い音の方は、まるで啜り泣く赤ん坊の声みたいだ。
大胆で恐いもの知らずの陽平も、さすがに恐くなって足を止めた。
学校の七不思議にこんなのあったっけ?と、大して信じてもいない怪談話を思い起こすほど、陽平の足は細かく震え、先へ踏み出すのを躊躇した。
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