MATURE?危険な子供たち?
MATURE?危険な子供たち?
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「おい杉菌!!無視してんじゃねぇぞブス!!」
ある日突然、このクラスのボス的存在―持田陽平が美佳を激しく攻撃し始めたのだ。
陽平はその繊細な面立ちとは裏腹に、ひどく乱暴で、残酷な性格をしていた。
彼に思いを寄せる女子も少なくはないのだが、何せ男女の仲を険悪にした張本人なので、大概の女子は陽平を嫌っているフリをしている。
「そーだよ杉菌!!死ねっ」
陽平に続き、口々に他の男子が罵倒しだす。
たぶん彼らは、陽平が美佳をいじめなければ、自ら進んで美佳を虐げるようなことはしないだろう。
強い者には従う。
社会の縮小図でもある学校の常である。
しかしなぜ陽平が急に、何の前触れもなく美佳を嫌い始めたのか、それは誰にもわからなかった。
陽平と美佳は―普段の学校生活を見た限りでは―話したことはおろか、目を合わしたこともない。
女子と関わりを持ちたがらない陽平と、人に興味を持たない美佳。
それなのに、なぜ―?
心の奥に潜む疑問をそれぞれ持っていたが、口に出して聞く子はいなかった。
どちらに聞いても答えてくれそうにないし、理由を聞いたところで何も変わらない。全ての鍵は、陽平と美佳が握っているのだ。
頭の悪い悪口に飽き飽き、といった感じにため息を付き、美佳が静かに立ち上がり教室を出ようとした。
「おいどこ行くんだよ!」
憎しみに満ちた瞳で陽平が美佳を睨む。
「…」
美佳はそれさえも無視をして、ドアに手を掛けた。すかさず陽平がドアが開くのを防ぐ。
「…私に出ていってほしいんでしょ?なのにそんなことするなんて、矛盾してるわ」
静かで、凛とした声が教室に響く。
「望みどおり出ていってあげるから、どいてよ」
全くの正論に、さすがの陽平もたじろいている。
ドアを開けても開けなくても、陽平はマズイ立場に追い込まれるだけだ。
考え方も価値観も、高校生並の美佳に、やんちゃ坊主で低レベルな陽平の理屈が勝つはずが無い。
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