MATURE?危険な子供たち?
MATURE?危険な子供たち?
18ページ目
美佳いじめを止めることによって、美佳と関わりを持つことが出来なくなった大半の男子は、ひっそりと悲しみと悔しさを飲み込んだのだった。
陽平はその日一日、ソワソワと落ち着くことが出来なかった。
担任が珍しく、白いポロシャツではなく灰色の汚いTシャツを着ている。心なしか、落胆してるし、ときどき見つめる美佳への視線がねちっこく、憎しみと未練がそこから感じ取られた。
美佳はというと、いつも通りの卒ない態度だ。しかし、ときどき陽平と目が会うと、ニコリと微笑んでくれる。その笑顔を見るたび、治まりかけていた熱が再発するのだった。
時間というのはこんなに経つのが遅いものなのか。
陽平は時計の針をこんなに真剣に見たことはない。
あと1時間
あと30分
あと5分
あと…
四時間目終了のチャイムが鳴り、子供たちは身体を伸ばしたり、おしゃべりを始めたりする。給食当番は白いマスクを付け、給食室へと急ぐ。
当たり前の日常を、当たり前に過ごしている子供たち。
しかし、ある一人の少年はこれから非現実な生活を送ることだろう。
ある少女との関係によって。
陽平はフラリと騒がしい教室を出、気が付けば屋上のドアを開けていた。
一面の、青空のパノラマが目に眩しい。
少し肌寒い風が陽平の頬を燻った。
目線の先に、美佳がいる。
白い裸体を惜しみなく曝け出して、陽平に優しく微笑みかけてくる。
陽平は魔法にかかったかのように、美佳に吸い寄せられて―…
今まで離れていた時間を埋めるようなキスを何度も交わした。
彼らを邪魔するものは、もう、何もない。
END
採点