LaZoo掲示板
カオス・ストーリー23

?由依との奏で?
第7話

高校についても由依ちゃんは俺に一言も発さなかった。

(怒ってんのかな…)

俺はそれがずっと気がかりだったが、学校で何か騒ぎになっても厄介なのであえて話しかけないことにした。

教室にはすでにクラスの半分くらいが登校していた。

雄二「おっす、翔太郎!!! …ん? なんかあったの?」

翔太郎「いや、なんもないよ」

雄二「い?や!!!なんかあった!!! お前って顔に出やすいからすぐわかんだよな?(笑) 吐けよ?♪」

なんて奴だ。俺の思考回路でも読み取ってんのか?しかし、まさかバス内でキスをしてしまったとは口が裂けても言えない。

翔太郎「だからなんもないって」

雄二「しょうがないな?じゃぁ、誰かに聞くしかないかな… あ、横山さんにでも聞いてみようかな?」

翔太郎「やめろ!!!!!!!」

思わず大声を出してしまった。
クラスが一瞬静まりかえる。やっちまった…。

雄二「わ、わかったよ…。とりあえずこのことは聞かないでおくよ…。」

さすがに雄二も引いてしまったようであった。そのころ、由依ちゃんの方はというと…

優子「あっ、ゆいはんおはよー!!!」

由依「あっ、うん おはよう」

優子「昨日はおつかれ?! で、どうだった!?」

由依「う、うん ぼちぼちやな…」

優子「そっかぁ? ま、気軽にまた部活にも顔出してよ!!! 待ってるからさ!!」

由依「う、うん」

(なんやの…この感じ。 あんなの、事故やろ? あかん…ドキドキしてもたへん…)

今日の俺はいろいろと上の空の状態が続いた。
授業中あてられても反応できず、体育では落球、さらには…

雄二「珍しいな。お前がパスタなんて」

翔太郎「え?」
俺は買った食券を見た。
そこにははっきりと“ミートソーススパゲッティ”と書かれていた。
誰が見てもおかしい俺を見かねたのだろう。雄二が俺を心配するように言った。

雄二「なぁ、翔太郎。朝は茶化して悪かったけどお前やっぱり変だよ。なんかあったんだろ?…横山さんと。」

翔太郎「はぁ…。俺らしくもないな。 雄二、ごめん。本当に何でもないから。」

雄二「お前がそこまで言うなら…。 わかったよ。」

翔太郎「ごめん…。」
俺は雄二に対し心から申し訳なく思っていた。
そして俺は雄二は本当にいい奴だと俺は再認識したのであった。

さて、ここで吹奏楽部の面々にスポットライトを当てていこうと思う。

宮崎「ねぇ、チユウ、昨日はなんで先輩帰っちゃったの?」

河西「なんか用事だってぇ?」

宮崎「あたし先輩にちゃんとお礼言えなかったじゃん!」

河西「だってトモ悪くないし?」

宮崎「もう! じゃあ先輩のとこに改めてお礼いいに行こ!」

河西「え?」

そうして二人は俺の教室へと足を運ぶのだった…。

俺と雄二が教室に戻るとちゅりが来ていた。

高柳「あ、五代君? ちょっといいかな?」

翔太郎「ん? どしたの?」

高柳「ここじゃちょっと…」

翔太郎「あ、じゃあ そこのベンチで話そうか」

俺とちゅりは廊下の端にあるベンチに移動した。

翔太郎「…で、話って?」

高柳「五代君、やっぱり部活に戻る気はない?」

翔太郎「なんで? 昨日チユウもみゃおもレッスンしたけど上手くなってたし大丈夫だと思うけど…」

高柳「確かにふたりとも演奏は上手になったと思うよ? けど、ふたりとも五代君がいた時よりもなんか変わったし… それに…」

翔太郎「それに?」

高柳「やっぱり五代君に楽器を演奏してて欲しいの!」

翔太郎「ちゅり…」

高柳「今すぐじゃなくてもいいから… もう一度五代君も一緒に演奏したいよ!」

これまでの会話の中、ちゅりの顔は真っ赤だった。
よっぽど勇気を振り絞っていったのだろう。それだけ言うとちゅりは震えながら去って行った。

ちゅりと入れ替わりでやってきたのはみゃおとチユウだった。

宮崎「先輩!!!」

翔太郎「お! みゃおか! ごめんな?、昨日先に帰っちゃって」

宮崎「いえ、こちらこそ先輩にきちんとお礼を言わずにすみませんでした!!!」

翔太郎「いや、いいんだよ。 それで…チユウ?」

チユウの俺を見る眼差しが強烈だった。一言で言うなら睨んでいた。

河西「昨日はアリガトウゴザイマシタ」

(明らかに昨日のこと引きずってるよ… まいったな)

昨日の一件を知らないみゃおが口を挟む

宮崎「ねぇチユウ!!!先輩に失礼だよ! 先輩、すみません…」

翔太郎「いや、いいんだよ。それより、俺でよければまたレッスンするからいつでも言ってね」

宮崎「本当ですか!? でも、先輩のご迷惑にならないですか?」

翔太郎「大丈夫だよ。」

宮崎「本当にありがとうございます!!! それでは、失礼します!」

そういって二人は俺の元を去って行った。
ただ、チユウは去り際に俺の方を振り返って妖艶な微笑を浮かべたのであった…
NEXT
タイトルトップ
TOPへ戻る
LaZoo掲示板
カオス・ストーリー23
トップ
総合テキスト投稿&無料HP作成
(C)Chaos-File.jp