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カオス・ストーリー2
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優子の物語
第19話
『おっ!・・・・・そっかそっかぁ・・・
なんかぁ・・・・嬉しいなぁ///』
『あれあれ?孝輔が照れるなんて珍しいねぇ?
じゃあまた孝輔ん家いっちゃおうかなぁ?・・・フフフッ///』
電話越しでも優子が笑顔でクスクス笑っていることが分かる。
どうしよう?・・・俺は今すぐにでも優子に逢いたいのに、何かがそれを拒む・・・。
『昨日泊まったろだろぉーに。・・・・今度!また今度!・・・なっ?』
『もしかして孝輔ん家に今誰か泊まってるの?』
『んな訳ないじゃんっ。』
『どーせどーせモテモテの孝輔くんは私を放っておいてたかみなとハードなプレイでもしたんでしょうねぇ・・・』
『だから、だから高橋とはなにもないって!』
『・・・本当に?』
少し電話の向こうの優子の声が震えて来ていたので、意地悪はなしにしようときめた。
『本当だから大丈夫だって』
『うん・・・わかった。信じるよ。だって私たち恋人同士だもんね!』
『ところで優子、俺明日から一週間じゃなくて今日から停学で学校行けないけど一週間大丈夫!?』
『あっ・・・そうだったよね・・・』
優子はあの悪夢を思い出してしまったようで暗くなってきてしまった。
『どうせ一週間だもんっ
孝輔いなくても私大丈夫だもんっ!』
いつもだったらここで意地悪する所だが
今日はそれは無しと決めた俺は潔く彼女の意志を認めることにした。
『そっかそっか。じゃあ優子と逢えるのは一週間後だなぁ』
『えっ!?学校終わった後会ってくれないの?』
『ほら・・・よく言うじゃん、お互い少しの間離れた方が
本当に恋しくなってそれで会ってみれば会いたかった衝動が爆発みたいな?ニシシ・・・』
『エヘ・・・じゃあ一週間後どうなっても知らないよ!?』
『じゃあ一週間後に優子がギュッってしてくれることを願おうかな!・・・んっそろそろ時間みたいだな・・・
』
『うん・・・じゃあまたあし・・・じゃなくてまた来週ね♪』
『じゃあな・・・お休み』
ブチッ
ツーッ、ツーッ、ツーッ
『はぁ・・・一週間・・・ねぇ』
俺はベッドに大の字になって明日から誰にも会えない
というこの事実を受け入れざるを得ないと思うと無性にイライラしてきてしまった。
時計を見るとまだ時刻は8時。これからって時間だけど、なんだか俺は物事に対してのやる気が
優子と電話したっきりなくなってしまったから静かに目を閉じた。
「んぁー・・・」
長い停学から目覚めた。
結局一週間何も起こらなかったし、誰も家には来なかった。
高橋はあれっきりメールすらくれなくなってしまったが、
前田や優子はどうやら俺のことを心配してくれていたらしくメールをよくくれた。
前田はあの件があったからなんか気まずかったが、まぁメールだからと自分を開き直らせどうにかメールできた。
とにかくこの一週間暇だったなぁと少し寝癖がついた髪を触り思い返しながら洗面所に向かう。
洗面を終え昨日の夜炊いたご飯を昨日の夜ご飯の余り物で食し、学校へ行く準備を始める。
久々制服を着たがかぎこちないのは何故だろうか?
鏡を見ながら考えたが、考えている中にバカらしくなってきて笑えてきた。
髪を整えて部屋に戻って机の中から教科書を出すが、時間割がわからない・・・。
優子に電話っ・・・いやいやそれはだめだ。
なんの為の一週間だったのか分からなくなってしまうだろ。
机の上にあった携帯をとり電話帳を開いて教えてくれそうな人がいないか探すがいない・・・。
「ハァ・・・」
俺はもういいやと携帯をスクールバッグに入れ玄関に向かい、みんなにこれから会えると思うと俺は勢いよく扉を開けた。
一週間ぶりの学校ってのはなんか新鮮な気持ちにさせてくれる。
いつもは優子と一緒に学校まで行くのだけど今日は違う。
やっぱり一人だと寂しいな・・・そんなことを思って
その気持ちを紛らわす為にポケットにあったウォークマンに手をかけようとした。
すると後ろから女の声が聞こえてくる。
「せんぱーい、ちょっ待ってくださいよぉ・・・待ってって・・・もぉ先輩ったら!」
俺は声のする後ろの方へ振り返った。
「無視しないでくださいよぉ」
どうやら彼女は走ってきたようで額に汗をかいていた。
「してないって、気づかなかっただけ。」
「あっ、私にそういうこと言うんですか?」
「なんのこと?」
「あぁもう先輩ひどいよぉ」
「ごめんごめん、久々の鈴蘭だったからちょっと意地悪したくなってさ」
「もぉっ///」
彼女はほっぺたを膨らませそっぽを向いてしまった。
彼女の名は山内鈴蘭。俺の一つ下で後輩だ。
学校でもかわいいと有名になり、今年のミス○○候補にもなっている。
じゃあなんで俺が鈴蘭と知り合ったかって?
それは俺の住んでるアパートは鈴蘭の父さんが所有していて、まぁそっから家の親父と仲良くなり、それから・・・みたいな。
「・・・そういえば先輩彼女できたらしいですね!?」
先ほどの機嫌の悪かった鈴蘭とは違い笑顔で俺の横にきて見つめてくる。
「まあねー」
そう答えると鈴蘭はどこか暗い顔をした気がする。
「きっと先輩の彼女だから可愛いんだろうなぁ・・・・」
鈴蘭は下唇を噛みながら下を向いて、小石を蹴るように俺の横を歩き始めた。
「俺の彼女はものすげぇ可愛いけど、鈴蘭だって前から変わらず可愛いよ」
「えっ?///」
鈴蘭は俺の発言があまりにも衝撃的だったようで
顔を赤らめながらポカンと口を開け俺を見ている。
「だから・・・昔から変わらず可愛いって」
「わ・・・わた・・・私が可愛いっ?
あぁ、これは夢だ・・・夢だ。孝輔くんがこんなこと言うはずないじゃないっ、もう///」
「おっ、おい鈴蘭!おーい」
(こりゃ夢ん中入っちゃってるな。ちゃっかり孝輔くん呼んじゃってるし・・・)
当分夢から覚めない・・・・そう思った俺は鈴蘭の手を引き学校までつれていくことにした。
手を引きながら思ったことがある。鈴蘭ほど可愛い娘が何故彼氏をつくらないのか。
もしかして家がバ金持ちだから結婚が決まってる相手がいるのかな?
そんなことを思いながら俺は鈴蘭の手を引き顔を見て歩いていた。
やっぱり聞いてみようか?・・・そんな事して鈴蘭が傷ついたら・・・。
このことは辞めよう。うん。
「あの、せっ・・・先輩!///」
夢から覚めたのだろう。案外早い目覚めだったことに驚いてしまった俺は彼女の言葉に返答した。
「どしたの?」
「あっ、あの・・・手とか繋いでるのってなんかカップルみたいですね///」
「そ・・・そうだな」
「いきなり失礼なんですけど、今度私とデートしてくれませんか?」
「・・・はぁっ!?」
いきなり一体何なんだ。しかも朝だ。こんな刺激的な朝は初めてだな・・・・案外悪くないかも。
鈴蘭は急に立ち止まって俺を見てくる。今まで鈴蘭をちゃんと見てあげれたことは無かったが、
改めて今しっかり見てみると身長は優子と同じくらいなんだな。
「だから・・・私とデートしてください!///」
「あ、あぁ・・・」
困った・・・困ったぞ俺・・・どうするよ?
優子に聞いたらなんて答えるかな?たぶん優子怒るだろうな。
「ちょっと彼女に聞いてみないとなぁ・・・でもまぁ鈴蘭だからokしてくれると思うけどなぁ」
俺はニコッと笑いながら答えた。
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