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カオス・ストーリー23

優子の物語
第17話

何故手を握ってしまったのだかわからない。
でも一つ言えるのはたぶん俺は困ったり、
怖がってたりしてる人を放っておけないタチなんだと思った。
いきなり手を握ってしまったせいか高橋は驚いた顔で俺を見ている。

『なにに対して緊張してんだか知らんけどさぁ、
そんなオドオドすんなよ』
『だっ・・・だっていきなり手握られたりしたら
普通オドオドしちゃうよっ//』

そんなこと言いつつ、またした下を向いた高橋は俺の手を握り返してくる。

『もうちょっとこのままでいて///』
『んっ!いてやるよ』

俺は下を向いた高橋の方を向いて笑顔で言った。

『ほらほら、あんま下向くなって。少しくらいこっち向きぃや』

そう言うと高橋はうんと頷いてこっちを見た。

『それでいい、俺はそういう高橋の方が全然っいいと思うよ。』
『ほんとに?///』
『んっ!ありのままが一番だよ。
無理して着飾ろうとする必要ないし、
オドオドしなくてもいいんだって。なっ!』

俺は高橋を見て何故か頭を撫でながらそう言った。
彼女もしっかり俺を見ていて笑顔になってくれた。
やっぱり俺はこういう事するのが好きなタチなんだな。

『ありがとっ///』

『・・・んで、どうするよ?』
『えっ///・・・・私はこのままでもいいかな///』
『んっ?///』

俺は高橋の顔を更に見つめてしまった。
どうする俺・・・この展開は流石にまずいぞっ・・・

『だ・・・だから・・・このままで私はいいよ///』
『こっ・・・・
このままっておいっ、あれかっ・・・
あのぉ・・・何だっ・・・あぁ・・・わかんねっ』

と言うと体の右側に重みをかんじた。
その方向を見つめると高橋が俺に寄りかかっている。
あれっ?と呟いても高橋は反応しない。

『スーッ、・・・スーッ・・・・』
『寝ちまったのかよ』

高橋は俺に寄りかかったまま眠っている。
正面から高橋をのぞき込むと、可愛い寝顔して幸せそうに眠っている。
にしても高橋は俺の手は離そうとしない。

『はぁ・・・しょうがないなぁ・・・』     

と言って彼女を起こさないようにゆっくり横にして
ベッドに寝かせた。
手を繋いだままな訳だから
俺はその場から動けない。

『はぁ・・・・しゃあないから俺も寝るか・・・・』

と言って俺は彼女の手を離さないように彼女の横に寝た。

『こうしゅけくん・・・』
『フッ・・・夢の中にも俺かよ』

どこだここ・・・
気がつくとそこは何もない空き地・・・
いや目の前に道路があった。
なんだ?道路にたくさん人が集まっていて、騒いでいるようだ。
俺は気になったので道路の方に行ってみた。
何が起こったの知りたかった俺はその観衆の中にすんなりと入れてしまった。
あれ?なんで優子に前田に高橋がいるんだ?
しかも泣いてやがる・・・
特に優子と高橋は死んでしまうのではないかと言うような勢いで泣いている。

『おいっ!優子!高橋!前田っ!』

俺は三人を大声で呼んだのだが、だめらしい。
夢の中ってどんなんなのかって分かるもんだけど、
自分の意志の通じる世界じゃないらしい。
だからさっきこのたくさんの観衆の中にすんなりと入れた訳だ。
要は死人の魂状態みたいなもんなのだろう。

ピーポーピーポー・!・・・

救急車が来たらしい。
一体誰が呼んだのだろう?
優子なのか高橋なのかそれとも前田なのか・・・
そんな事はともかく俺は観衆の見ている方を見てみた。
事故なのか事件なのかなんなんだろう・・・
俺は急いで一番前まで行ってみた。

『な・・・なんで・・・・』

そこには救急隊員に運ばれているわき腹から大量に出血している俺がいた

ありえない光景を目の当たりにした俺には激しい頭痛と
呼吸のできない苦しさが急に襲ってきた。

救急車に運ばれる俺、そして泣き叫ぶ少女達・・・
あぁ夢のはずなのに苦しい・・・
とうとう俺は呼吸ができなくなって、観衆の中で倒れた。
誰にも気づかれないまま・・・


『・・・くんっ!・・・すけくんっ!』

声が聞こえる・・・あれ?確か俺倒れたんだよな?
やっぱりあれは夢だったのか。

『孝輔くんっ!起きてよっ!』

身体を激しく揺すられた俺は重たい瞼を開けた。

『あー、・・・おきてるよー』

窓から差し込む夕陽が眩しい・・・

やっぱり手は繋いだままで、しかも巷で言うラブ握りってやつになっていた。
お姫様みたいにベッドにすわっている高橋はなんだか心配そうな顔で俺の顔をのぞき込んでいた。
俺は身体を起こした。

『もう孝輔くんたら一人でずーっと寝ちゃってさ!
ホント良いご身分だよねっ!///』
『先に寝たのは高橋のほうだろ?
はて?どちらが良いご身分なんだかねぇ
一体高橋みなみ様はどんな夢を見ていたんでしょうねぇ?』

俺はニヤリと笑って高橋の顔を覗くと高橋は顔を真っ赤にして下を向かずに唇をへの字にして俺を見てる

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