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カオス・ストーリー23

マジすか学園?B?
第32話

大島は産まれて初めて怒りに身を任せた。

近くにいた不良3人を次々に倒していく。
その大島の表情に笑顔は1つもなかった。

不A『にッ・・・逃げるぞ///』
大島『テメーだけは・・・』

大島は不Aの右手の拳を見た。
他の不良とは違い小嶋を殴り続けていた不Aの拳には血がベッタリと付いていた。
不A『ひッ・・・ひぃぃッ///』
大島のキレた顔を見た不Aは1人逃げ出した。

大島も急ぎその後を追いかける。

不B『よしッ・・・この隙に逃げようぜ!!』

残りの不良達が逃げようとしたその時だった。

篠田『逃がさねぇよ・・・』

不B『お前ら・・・うちの一年じゃねぇか///』


出入口を塞いでいたのは篠田・柏木・板野の三人であった。

ギュゥゥ──
板野は革の手袋を装着する。

『明日はもう無い』
死の宣告を唱えた柏木。


篠田『掛かってこいよ』


不H『一年のくせに生意気いうんじゃねぇぇぇ!!!』

1人の不良が篠田に突っ込んでいく。それを見た他の不良達も目の前の敵に突っ込んだ
板野『負けんなよ2人とも・・・』
篠田『当たり前だ』
柏木『勝つ・・・以下省略』

不H『おらぁぁぁ!!!』
篠田『遅い』
篠田は受け流すように不良の突進を避け不良のお腹に回し蹴りを喰らわす。
不H『?∩℃@☆※★!!!!』
慣性の法則のまま勢いが止まらない不良の腹に篠田の足が食い込む。
バタンッ―
篠田『弱・・・』
倒れ込む不良に片足を乗せて篠田は他の不良達を威嚇する。

柏木『・・・・』
不C『なんだよこいつ・・・』
不J『動きが見えねぇ・・・』
化け物を相手にしているのだ。
不良達が逃げ出したくなるのも当然だった。

板野『おらぁ!!』
不E『ぐぁっ//』
板野『おらぁ!!!』
不G『こいつら一年のくせにッ・・・ぐぁッ//』
他の2人に比べたら飛び抜けて強いわけでは無い板野。だがそこいらの不良には負けるわけがない。

不M『やべぇ・・・やべぇぞ・・・』


ピクッ―

小嶋『ンン・・・』

鳥小屋の中に横たわっていた小嶋が目を冷ました。

小嶋『ゴホッ・・・ゴホッゴホッ・・・ヤバい・・・死んじゃうよ・・・』

ボヤけた視界にまだハッキリしない意識。
床に敷き詰められた藁のような物が身体中に付いていた。

ズキンッ───
小嶋『痛ッ・・・』
突然の頭痛に頭が割れそうになる。
小嶋『痛いッ・・・痛いッ・・・』
飛び蹴りの影響とは関係ない脳が弾けそうな痛みが小嶋を襲っていた。


小嶋『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!』

トリゴヤこと小嶋陽菜は幼少のころから周りと比べてなにかと遅れをとっていた。

何をしても最下位になる。
そんな小嶋の両親はある日を境に娘に干渉しなくなった。

小嶋『・・・・』

小学4年になった小嶋は親に無視されていた。
毎朝リビングの机の上に置かれる1000円札。これで自分で飯を買わなければいけない。
欲しい物も服も買ってもらえずにずっと1人で過ごしていた。

『トリコヤマゲームやろうぜ!!!』

クラスメイトの間で流行っていたゲーム『トリコヤマ』

鳥・小・山


小嶋のことだった。

ルールは簡単─

小嶋を学校の中にある鳥小屋に閉じ込めるだけ。
もちろん小嶋に拒否権は無かった。

担任の教師も小嶋がいじめを受けているのを知りながらただただ見過ごしていた。

小嶋『出してよ!!!出して!!!』

『お前ん家だろ!!トリコヤマ!!!』
小嶋『おかぁさぁん・・・おかぁさぁん・・・』


クラスメイト達は鍵を掛けて忘れたかのように普通に帰っていく。


小嶋『寒いよ・・・怖いよ・・・お母さん・・・』


暗くなりニワトリの鳴き声だけしか聞こえなくなった。


小嶋『怖いよ・・・怖いよ・・・』

小嶋は母が必ず迎えに来てくれると信じていた。


『グルルルルゥゥ・・・・』

小嶋『ビクンッ──』

ニワトリの喉が鳴っていた。
腹を空かせているのか小嶋に少しずつ近づいていく。

小嶋『いや・・・来ないで・・・来ないで・・・』
『グルゥェェェェ!!!!!』
『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!』
――――――――小嶋『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』小嶋の叫び声が辺りに響く。
篠田『なッ・・・なんだ・・・』
ピリピリとした空気が殴り合いのケンカを止めた。

板野『身体が・・・動かねぇ・・・』
柏木『くッ・・・・』

篠田達を含めその場にいた全員が金縛りにあったかのように動けなくなっていた。

篠田『ゾクッ・・・』
板野『なんだよ・・・この寒気・・・』


コツン───

コツン────

篠田『お・・・お前・・・』
『た』


『だ』『い』
『ま♪フフフッ・・・』


覚醒した小嶋が鳥小屋の中から現れた。

大島『ハァ・・・ハァ・・・逃げられちまった・・・』
不Aを逃してしまった大島は息を整えながら元いた場所に戻った。
大島『あいつ・・・無事・・・だよな・・・』

小嶋の身体が心配で仕方がない。
大島は歩くのを辞めて駆け出した。小嶋『フフフ・・・♪』
不良『くッ・・・くるなぁぁぁ///』
小嶋『迎えに来てくれたんだねお母さん♪』
不良『ひぃぃぃ///』

小嶋の見た目は普段と一緒だった。

まるで映画のお化けのように血だらけのまま笑顔で不良に近付いていく。

不良『くるな・・・くるなぁぁぁ!!!!!』
スッ───
小嶋は不良の頭に手をかざした。

不良『ひぃぃぃ///』
小嶋『見えた・・・・けど・・・・お母さんじゃ・・・ない・・・お母さんじゃ・・・お母さんじゃない!!!!!!!!』


叫びだしたかと思えば小嶋は不良の耳元に口を近付けた。


バタンッ―

小嶋『たーだーいーま』


篠田『逃げないとやべぇぞ・・・』
板野『んなこと言っても身体が・・・』

不良『ひぃぃぃ///』
小嶋『見えた・・・』
バタン―

次々に倒れていく不良達。

100%の覚醒では無かったがサイコメトリー能力による相手の精神にダメージを与える術を小嶋は備えていた。


あっという間に篠田達以外の不良を全員精神攻撃で倒してしまった。

板野『ホラーかよ・・・ありえねぇよ・・・』
篠田『ブラック逃げろ!!』
柏木『無理だ・・・動けない・・・』
小嶋『フフフ・・・』

小嶋はゆっくりと柏木に近付いていく。
柏木『はぁ・・・・はぁッ・・・』
恐怖のあまり柏木は目を閉じた。『たーだーいーま♪』

柏木『ゾクゾクッ///』

目を閉じた瞬間に小嶋の吐息と声が耳にかかった。

篠田『ブラック!!!』

小嶋『・・・・』
柏木『辞めろ・・・辞めろ・・・』
小嶋『見えた♪』
柏木の身体が震えた。
こんなに恐怖したのは産まれて初めてだった『ひとりぼっちの由───』
柏木『くぅ////』


小嶋が囁き終える寸前だった。

バッシャーン──

大島『イテテ・・・』

近道しようと壁を突き破って大島が現れた。

小嶋『お母さん・・・』

大島『イテー・・・おッ♪無事・・・じゃねぇみたいだな・・・』
篠田『コリス逃げろ!!こいつは化け物だ!!!』
大島『化け物?』
小嶋『・・・・』
大島『何言って・・・あれ?』

大島も篠田達同様身体が動かなくなった。

大島『動けよ!!!あれ・・・動け!!!』


いくらあがいても動かない自分の足。
その原因が大島に近付いていく。

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