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カオス・ストーリー23

AKB学園小説
第2話

真「ごめん。今まで来れなくて」

前田さんの家で遊んだ週の土曜日の朝、ボクは初めてここに来た。
彼女が眠っている墓の前に。

真「正直に言うと、怖かったんだ。ここに来るとキミが死んでる事を
  確かめに来たみたいで。」

そうだ。ボクはこれまでキミが死んだ事を信じたくなくて。もしかし
たら、どこかで生きてると信じたくて、ずっとここに来る事を避けてた

真「きっとキミはボクの事を恨んでるよね。ボクがあんな時間まで
  連れまわしてなかったら、こんな事にはならなかったんだから。」

真「ごめん。本当にごめん。今さらになってだけど、本当にごめん。
  言い訳みたいになるけど、あの日からボクはキミの事を思い出さ
  無い日はなかったんだよ。キミの笑ってる顔や、怒ってる顔、中2
  の時に告白した日の事、他にも誕生日を皆で祝った日とか、健司
  と3人でボーリングに行った日とか。でも最後にはキミがひかれた
  日の事を思いだしてしまって、それがとても怖かったんだ。」

ボクは自分が思っている事をすべて話した。あれからどうしてきたか。
キミの事がどれだけ大切だったか。

真「でも、ある子と話した時に思ったんだ。少しでも前に進まないと
  いけないって。もう過去にすがりついてちゃいけないって。そう
  思ったから今日、覚悟を決めてここに来た。キミもそう言ってく
  れてると思ったから」

真「でも、もう心配しなくていいよ。こんなボクにも心をゆるして
  くれる友達ができたから。キミと同じくらい守りたいと思える
  友達ができたから。
  だからボクはキミに誓う。キミのようなつらい思いをそいつら
  にさせないことを。絶対に命をかけてでも守る事を。」

ボクがこう言った時、キミがほほ笑んでくれてる気がした

真「じゃ、もう行くね。また来るから」

ボクはその後、あの事故現場に行って花をそえて来た。そして自分の
帰りの地下鉄は逆の方に乗った。もう一つ、行かないといけない場所
があったから。駅に着いてから、そこまで歩いた。

真「ここだ」

着いた時には8時を過ぎる直前だった。ボクは深呼吸した後、その家
のインターホンを押した

?「はい。どなた様ですか?」

真「・・・須藤真です」

?「マコト君!?・・・ちょっと待ってね。今鍵あけるから」

そう。ボクが前に進むには、ここに来なくちゃいけない。そう思った
から来たんだ。彼女の家に。

真「すいません。こんな夜分遅くにお邪魔して」

母「いいのよ。来てくれてうれしいんだから。皆心配してたのよ。
  あの子が亡くなってから、突然家を出て行ったって聞いたから」

父「まぁとりあえず元気そうでホッとしたよ。ちゃんと高校には
  行ってるのか?」

真「・・・はい」

辛かった。おじさんとおばさんのやさしさが。本当はボクが憎いかも
しれないのに。

真「あの・・・優子ちゃんは」

母「あぁ優子ならもうちょとで帰ってくると思うけど」

彼女には妹がいた。姉と同じくらいかわいくて明るい、まるで彼女の
分身みたいな妹が

父「優子に何か用でもあったのか」

真「いえ、今日はおじさん達にも用があって来ました」

そうだ。言わないといけない。しっかりと自分の思いを

真「おじさん、おばさん。・・・本当にスイマセン。ボクのせいで
  彼女を死なせてしまって。本当にスイマセン」

父「お・・おい」

母「マコト君、そんな事しないで。頭をあげて。あれはマコト君の
  せいじゃ無いんだから。」

真「いいえ、ボクのせいです。あの日ボクがあんな時間まで無理やり
  連れまわしてたから。もっと早くに帰らせてたらこんな事には。
  なのにおじさん達に謝りもせず、葬式にも出ないで、そそくさと
  ここから逃げて。本当につらいのはボクよりもおじさん達なのに。
  ボクは本当に最低でクズの人間です。なのにおじさん達はボクな
  んかの事を心配してくれて。普通なら恨まれてもおかしくないボ
  クの事を心配してくれて。 本当に、すいませんでした。謝って
  もゆるしてくれるとは思っていません。でも、こうしないとダメ
  なんです。本当に・・・・本当にすいませんでした。」

謝ってすむ事じゃない。そんな事はわかってる。おじさん達もそう思って
いて当然だ。しかもこんなにたってから、今さら謝りに来て。怒りさえ
おきているはずだ。でも、こうしないとボクはダメなんだ

父・母「・・・・」

父「顔をあげなさい。キミは誤解してる」

母「そうよ、マコト君。私たちはマコト君の事を恨んでなんていな
  いわよ。それに一番つらかったのは、あの子を目の前で失った
  マコト君だってわかってるから。あなたのお母さんから、あの子
  が亡くなった日から一歩も部屋から出なくなって、毎晩泣いてた
  こともきいてるから。コッチこそごめんね。そんな思いをこんな
  にも長い間させてしまって。もう気にしないで。私たちにとって
  マコト君は家族も同然なんだから。」

父「そうだよ。それに、あの子だって短い一生だったとはいえ、最後
  の最後まで好きな人と一緒にいられて、とても幸せだったはずだよ」

顔をあげたら、ボクなんかの為に涙を流してくれていた。言い表せない
くらい、とても嬉しくてボクまで泣きそうになった。でも泣いたらだめ
だ。ボクにはまだ話さないといけない人がいる

その後、少しの間誰も話さずにいた。でも30分たったぐらいの時には
笑いながら話していた

(ガチャ)優「ただいま。ん?誰か来てんの?」

母「マコト君よ。優子にも話があるみたいだから会ってきなさい」

真「・・・久しぶり」

優「ちょっと部屋に来て」

   ?優子の部屋ー

優「なんで今頃になって来たの」

真「自分のした事をつぐなうため」

優「・・・・見た目は随分変わったけど、中は全然変わらないね。
  でも、そういう所が好きだったんだよね、お姉ちゃん。
  あのね、実は渡さなきゃいけない物があるんだ。ちょっと待ってね」

優「はい、これ」

ボクは赤い包み紙の箱を渡された。開けるとペンダントが入ってた

優「それね、お姉ちゃんがマコトさんにあげようと思って買ってた物
  なんだ。恥ずかしい言い方になるけど、それをお姉ちゃんだと思って
  大切にしてね」

真「ありがとう。絶対大切にするよ」

優「お姉ちゃんもきっと喜んでるよ」

真「うん。そうだね」

ボクは夜遅くに帰った。帰ると、今日の事を一気に思いだしてベットの
中で大泣きした。でもあの時とは違って、心の中はとても明るかった

健「おっはよーマコト」

真「朝からウルサイ。近づくな」

健「朝からクール過ぎるぜ親友?。もうちょっとテンション上げてこうぜ」

真「ふーん、親友だったんだ。」

健「えーそりゃねーよ。まぁ今日はこの辺にして。写メとらせろ」

真「何で」

健「いいからいいから、ハイッチーズ(カシャ)よし!上手くとれたな
  送信っと」

送信って一体誰に送ったんだ

健「いやー優子ちゃんに頼まれてな。お前が、ちゃんとそのペンダント
  つけてるか確かめたいから写メとって送ってくれってな。けっこう
  似合ってるぜ、そのペンダント」

優子ちゃんがコイツにそんな事頼んだのか。

健「・・・行って来たんだな。アイツのトコに。それで、どうだった?」

真「あぁ何か少しだけスッキりしたよ。オマエにも心配かけてたし、
  アリガトな」

健「気にすんなそれくらい。きっとアイツも喜んでるって。絶対」

み「ねぇ二人とも真剣な顔して何しゃべってんの?」

健「ぅお!!たかみな、いつからいたの?」

み「途中からだよ。おはようって言ったじゃん。ねぇあっちゃん」

敦「うん。二人共聞こえてなかったみたいだね」

健「げっ敦子・・オ、オハヨウ」

真「おはよう。」

み「ねぇねぇ見た?昨日の9時からやってたドラマ」

健「おう見た見た。今回は結構いい感じだったよな」

またこの二人は、ボクの目の前で。本当にウルサイ

真「前田さん。ちょっと来てもらっていい?」

敦「ん?別にいいけど、なに?」

真「ここじゃ話しにくいから、廊下に行こう」

敦「いいよ」
   ・
   ・
   ・
敦「そうなんだ。良かったね」

真「前田さんのおかげだよ。前田さんに話したから行こうと思えた。
  本当にありがとう」

敦「いやぁそう言ってもらえるとうれしいな。
  そろそろ時間だし戻ろっか。もうチャイムなるよ」

ボク達はその後、普通に授業を受けた。いつもと変わらない感じだった
けど、どことなく違った感じで放課後まですごした

健「なぁなぁそこのお三方。今からだけど暇?」

み「暇だけど、何?」

敦「わたしも暇だけど」

真「暇じゃ無い」

健「はい、三人とも暇ね。じゃ今から遊園地に行こっか。全員で遊んだ
  事ないしさ。金はオレがおごるからさ。」

み「そういう事なら、行こうかな」

敦「たかみなが行くなら、わたしもいいよ」

何か断れない感じになってきたな。コイツと行くと、ろくな事ないのに

真「まぁいいよ」

健「じゃ時間もったいないから速く行こっか。」

            ・
            ・
            ・
          ー遊園地ー

健「じゃ、こっからはオレとたかみな、マコトと敦子の2組に分かれて
  行動しよっか。さっ行こたかみな」

み「えっうんって引っ張りすぎ」

敦「待ってよ、たかみなケンジ。」

敦・真「・・・・・・・・」

敦「・・・何か二人だけになっちゃたね。とりあえずどうしよっか」

真「じゃ、あっちに行こっか」

敦「うんそうだね。あっわたしあれに乗りたい」

ボク達はこの後二つの思いでを刻むことになる。

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