LaZoo掲示板
カオス・ストーリー23

メモリーズ?想い出の雫?
第2話

第1章 目覚めの夜

?「おっはよー! さーとちゃん!!」
?「おはようございます、悟史さん」

早朝の駅では、悟史をふたりの少女が待ちかまえていた。

悟史「あぁ、もう、うるせぇなぁ。朝っぱらからそんなに大声出すなよ……」
?「えぇー、ひどいなぁ悟ちゃん。
せっかく待っててあげたのに……
あ、わかった、
なんか悩みでもあるんでしょ。それで眠れなかったとか?うんうん、私たちってまだまだ若いからねぇ。
そういうこともあるってTVで言ってたよ」

なにやらひとりで納得しているのは、悟史のもうひとりの幼なじみ、

高柳明音だ。

悟史と優子、明音の3人は家が近所だったせいもあって、幼い頃からまるで兄弟のように仲の良い関係を築きあげていた。

なぜか悟史とは小学校以来同じクラスで、まさに腐れ縁といっても良い。

性格は素直すぎて天然気味なところがあり、よく悟史のおもちゃになっている……

もっとも、明音本人もその状況を楽しんでいるようなのだが。

?「え、悟史さん、何かひどい目にあわれたんですか?」

……そして、なにやら謎の勘違いをしているのが、1年後輩の渡辺麻友。

遠くから見てもすぐにそれとわかるツインテールの長い髪は、一部の生徒の間に熱心なファンも多い。

優子の従姉妹である麻友は、幼い頃から明音とも遊んでいたらしい。

そのへんはどうやら女の子の秘密(?)らしいので、悟史はあまり詳しくは聞かされていないのだか、同じ高校に通うようになってからはさらに親しくなったようだ。

悟史「なんでもねぇよ。それより、急がないと遅刻するぞ」
明音「え? 悟ちゃんが時間を気にするなんて……やっぱり変だよ!」

どうやら、明音は、何が何でも今日の悟史を異常者にしたてあげたいらしい。

結局、悟史は彼女たちを放って、さっさと先に歩き出すことにした。

明音「待ってよ?! 麻友ちゃん走れないんだからね?!!」
麻友「あ、私なら平気ですよ。ほら、追いかけないと」

麻友は体が弱く、学校も休みがちだ。

手術すれば治るらしいのだが、いろいろと問題があっていまだ完治には至っていない。

そのため同学年の友達が少なく、最近は悟史たちと一緒にいる時間が増えている。

実際、麻友の最寄駅はもうひとつ学校よりなのだが、朝はわざわざ悟史たちにあわせてひと駅下ってきているのだった。

悟史「……ったく、待っててやるから早く来いよ!」

結局、いつも折れるのは悟史なのだ。

悟史たちの通う菊上(きくがみ)学園は、最寄り駅から3駅ほど……時間にして10分程度の場所にある。

一応、進学校ではあるのだが、比較的自由な校風で人気が高く志望者も多い。

?「おっす。おはよー明音ちゃん、麻友ちゃん……と悟史」

隣の駅から乗車してきたのは、悟史の悪友ともいうべき同級生、山田一希。

いつもふたりでバカなことをしては、周囲のひんしゅくを買うのだが反省の色はない。

そのため菊上学園内では、ちょっとした有名人になっている。

ただし、その生来の軽さから彼女はナシ……

いわゆる『いいお友達』タイプなのだ。

本人もそのことについては自覚しているらしいのだが、改善はされないらしい。

悟史「なんだよ、俺はおまけかよ」
一希「まぁまぁ、そう言うなって。事実なんだからさ」
悟史「……ったく……」一希「お前がしぼみすぎてるんだって。それよりさ、菊上祭のネタ考えてきたか?」
悟史「菊上祭?」
明音「えー、悟ちゃん、きのう先生が言ってたじゃない!
あ……6時限目のロングホームルーム、寝てたでしょ」
悟史「ん、いや、その……」

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