罪と罰
小鳩
LaZoo掲示板
/
カオス・ストーリー2
/
3
リ
作品
へ飛ぶ
リ
▼
へ飛ぶ
前の20話
21頁
22頁
23頁
24頁
25頁
26頁
27頁
28頁
29頁
30頁
31頁
32頁
33頁
34頁
35頁
36頁
37頁
38頁
38ページ目
――窓を開けると、涼しい風が入り込む。
朝の程良い光と川の流れる音が心地よかった。
紗都は窓の縁に腰掛け、はだけた浴衣を直しながら穏やかな気持ちで海を一望する。
昨晩は狂ったように求め合い、そして夜が明けた。
それでも飽くことなく、早朝から再び肌を重ね、互いの愛を確かめ合った。
(……帰ったら、まず陽介に電話をしなくちゃ──。)
紗都はぼんやりと考えていた。
亨にセックスをしないという約束をさせてから1年間、紗都は陽介と繰り返し会うようになっていた。
もちろん、体の関係も――。
亨の事は今でも愛しているのだ、確かに。
陽介に特別な感情がある訳ではない。
それでも――紗都の中には強い思いがあった。
犯した罪はどれだけ償っても決して消えはしない。
許されても、消えはしないのだ──。
だから、紗都は決意した。
亨に罰を与え続けていくと――。
その為に、自ら罪を犯し続けていく…──。
「紗都、海まで歩いてみる?」
濡れた髪をタオルで拭いながら、亨が洗面所から顔を覗かせた。
紗都は潮風になびく髪をかきあげながら、にっこりと微笑んだ。
【おわり】
←前
採点
リ
▲
へ戻る
LaZoo掲示板
/
カオス・ストーリー2
/
3
戻る
/
トップ
総合テキスト投稿&無料HP作成
(C)
Chaos-File.jp