ちいさな悪魔の小さな絵

折原浩平

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カオス・ストーリー23
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この高く高い空に思いを馳せる。
低く深い大地に想いを捧げる。


この矮小な命の価値はこれほどに小さく、輝かしいものであると。

ー教えてくれた。

アナタは僕の家族。
アナタは柔和な父。
アナタは優しい母。
アナタは明るい姉。

抱き締めたい。
感謝したかったんだ。
普通の子らがそうするように。
「産んでくれて有難う」
「育ててくれて有難う」
そんな当たり前を言葉にしたかったんだ。

だから描かなければいけない。
もう伝える術は何一つ残ってはいないけれど。
僕は僕に出来る全ての事をしよう。

それはいつかの約束。

お気に入りの黒がキャンバスを浸していく。
安らぎと、安息と。
停滞と、虚無。
まるで母の胎内のように感じられるから。

漆黒の空に星々を散りばめて僕は祈る。


満天の闇に、僕は祈る。



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