MATURE?危険な子供たち?

あも

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カオス・ストーリー23
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18ページ目

美佳いじめを止めることによって、美佳と関わりを持つことが出来なくなった大半の男子は、ひっそりと悲しみと悔しさを飲み込んだのだった。






陽平はその日一日、ソワソワと落ち着くことが出来なかった。



担任が珍しく、白いポロシャツではなく灰色の汚いTシャツを着ている。心なしか、落胆してるし、ときどき見つめる美佳への視線がねちっこく、憎しみと未練がそこから感じ取られた。



美佳はというと、いつも通りの卒ない態度だ。しかし、ときどき陽平と目が会うと、ニコリと微笑んでくれる。その笑顔を見るたび、治まりかけていた熱が再発するのだった。




時間というのはこんなに経つのが遅いものなのか。



陽平は時計の針をこんなに真剣に見たことはない。


あと1時間


あと30分



あと5分



あと…





四時間目終了のチャイムが鳴り、子供たちは身体を伸ばしたり、おしゃべりを始めたりする。給食当番は白いマスクを付け、給食室へと急ぐ。



当たり前の日常を、当たり前に過ごしている子供たち。




しかし、ある一人の少年はこれから非現実な生活を送ることだろう。


ある少女との関係によって。




陽平はフラリと騒がしい教室を出、気が付けば屋上のドアを開けていた。



一面の、青空のパノラマが目に眩しい。



少し肌寒い風が陽平の頬を燻った。




目線の先に、美佳がいる。


白い裸体を惜しみなく曝け出して、陽平に優しく微笑みかけてくる。




陽平は魔法にかかったかのように、美佳に吸い寄せられて―…



今まで離れていた時間を埋めるようなキスを何度も交わした。





彼らを邪魔するものは、もう、何もない。



       END

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