水色の空

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カオス・ストーリー23
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どれくらいの時間が経ったのか。

グラウンドは静まり返り、
窓からは、生徒達の声が聞こえてくる。

涙が枯れたのか、泣く気力を失ったのか。
或は、泣くことさえ“つまらない”と思ったのか。

菜摘子は力無く上体を起こし、空を見た。

空は一層と明るく水色で、日の光が目に刺さり、目を細めた。
そよ風が菜摘子の乱れた黒髪を優しく撫でている。

黒髪を風に任せ、空の色にも日の輝きにも目が慣れたのか、
菜摘子はまるで魂の抜けた人形のように、空を見ていた。
何を思うのか、その顔に表情はない。



「食べないの?」


―――!!??

明らかに菜摘子のものではない、低めの声音。

菜摘子は反射的に声のする方へ顔を向けた。
自分以外いない筈だ。扉を開けて確認もした。それなのに・・・

声のする方へ向けた目が、声の主であろう人物を捉え、見開く。

男が、いた。

菜摘子の学校の制服だろうか。ジャケットは着ていない。
第二ボタンまで開けた白いシャツの長袖を肘まで捲り、
菜摘子の制服と同色のズボンを履いて、素足だった。
栗色の、目にかかる位の長さの髪を風に任せながら、
男はもう一度、確かに菜摘子に向けて言う。

「ゴハン、食べないの?」


いつからこの人はここに居たのだろう?
授業が終ってから?それよりもっと前?自分が来る前からココに居たのだろうか?
屋上に来てから今までの自分の行動、表情全てを見られていたのか?

呆けたような表情の菜摘子に、
男はなんでそんな顔をしてるのかわからないといった風に、柔らかに笑い、話しかける。

「もう昼だよ。腹減らね?」

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