THE TOWER
騎羅
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#01
【見知らぬ部屋と人】
重たい瞼をこじ開けると其処には灰色のコンクリートの壁が一面に広がる。
いつも以上にだるい体を上半身だけ起こし、周りを見渡してもあるのはコンクリートの壁に囲まれている。
そしてこの一般的な学校の教室ぐらいの広さの部屋に約二十人程の全く面識の無い赤の他人が自分と同じ様な状況に置かれていた。
此処は何処だ?
そんな周りの人々も思っているようなことを自分に問いかけてみる。
しかし、だからどうするという訳でも無く、ただそれを他人事のように眺めていた。
自分は、元々そういう人間だった。周りで何が起こっても知らないふりをし続けてきた。
その時は自分に、もし同じ様な状況になっていたかなんてことは考えたことがなかった。
こんな状況下に置かれても未だに他人事のようにしか思えなかった。
するとこんな状況を誰かの一声が変えた。
此処からでは何を言ってるのか聞き取れなかった。
周りの人々が続々と一声を放った人物に集まっていく。
それに流されるかの様に自らの体も立ち上がり、歩み寄っていった。
集まった先にはコンクリートの壁に刻まれたメッセージらしき文章が見えた。
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