憑いてくる
はつこ
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突然おおきな声で名前を呼ばれながら背中をたたかれ、私は心臓が跳ね上がるよかと思った。
勢いよく振り向くと、そこにはクラスの友達の恵利が明るい表情で私を見ている。
下がりきっていた体温が一気にもっどてくるような気持ちで、恵利にあいさつを返した。
「今日って体育あるっけ?」
「あ!あたし体育儀わすれたよぉ?」
私は安心のあまり、さっきまで考えていた事をほとんど忘れかけてしまっていた。
けれど、恵利のなにげない一言でまた全てを思い出してしまう。
「そうだ聞いてよ?!!今日行く途中の電車で超迷惑な人がいて、、、」
私は一気に暗い水の中にひきこまれるように
全身に悪寒がはしった。
「秋華??ちょっとどうしたの大丈夫?具合いわるいの!?」
『電車』・・・・・。
突然顔色が消え失せ、体をふるわせはじめた私を見て恵利が心配そうな声色で話し掛けてくる。
我にかえった私は、恵利の顔をみて頭の中にひとつの考えがよぎる。
『・・・・・・恵利に話してみようか・・・?』
恵利は霊感があることで学校ではちょっとした有名人だ。
恵利なら信じてくれるかもしれない。
なんなのか教えてくれるかもしれない。
『彼女』を私からひきはなしてくれるかもしれない。
私が直面したこの恐怖をはきだしたかった。楽になりたかった。
「恵利・・・・・今から言う私の話信じてくれる?」
******************
「な?んだ!そんなことなら早く話してくれればいいのに水臭いなー」
「ごめん恵利、、、」
学校の図書室で、私は自分が見た全てのことを聞いた恵利の反応を見て、心からホッとした。
こういう時はマジメに受け止めて深刻になってもらうより笑い飛ばしてくれたほうがいっそのことずっと心強い。恵利に話してよかった。
きっと『彼女』のこともさらっと解決してくれる。
図書室は人もあまりいないし、調べものもできるので今回のことを話すにはもってこいの場所だ。
「私が思うにぃ、それは別に秋華にとり憑いてるんじゃないとおもう!きっと自分が死んでることに気付いてなくてこの世をさまよっているだけだよ!」
「そういう場合どうすればいいわけ??」
「簡単だよ?私がその幽霊と話してみる!!あなたはもう死んでいるんだって教えてあげればすぐ成仏しちゃうって!任せて♪」
なんだかあんなに深刻ぶっていた自分がばかみたいだ・・・・・。
もう解決したも同然だからと、私はだいぶ元気をとりもどしていた。
それどころかちょっとした探偵のような気分で、この事件を二人で解決することを少し楽しんでいるような気分にすらなっていた。
「とりあえず最近のこの辺での電車事故のこと調べてみよう秋華!」
恵利の提案で、私達は『彼女』の乗っている線で死亡事故があったかどうか調べはじめた。
「あ・・・ねえ秋華これってそれっぽくない?」
恵利が10年前の記事を読みながら言った。
「(×月×日、都内H線で一人の女学生がホームから誤って転落し、即死した事故が起こった)・・・・」
「H線・・・あの子が乗ってた電車!」
「その霊ってうちらと見た目同い年くらいだったんでしょ?(死亡したのはM女子高校1年の・・・澄川 葵?)」
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