無限回廊2
エッチな官能小説集
ふと、違和感に気が付いた。
「あれ、おかしいな」
いつもの見慣れた森ではない。
道を誤ってしまったのだろうか。
少女にとって、森全体が庭のようなものであり、迷うことなどありえないはずなのに。
「どうしよう……。こう暗くちゃ、方向も分からない……」
天測はできる。
しかし、森の木々に覆われた夜空は、星どころか、月明かりすら差し込まない。
少女は歩を止めて、近くの大きな木の側に身を寄せ、周囲を改めて見回した。
やはり、ここがどこなのか分からない。
幸い、魔物の気配も無いようだ。
少女はそのまま木の根本に座り込んだ。
荷物から毛布を一枚取り出し、それを羽織る。
夜、森で迷った時は、むやみに動かず朝を待つ。
両親から最初に教わったことだった。
しかし、魔物はどこに潜んでいるか分からない。
見えない恐怖に脅えながら、少女は朝を待つ。
魔物に出会わないことを祈りながら、待つ。
しかし――夜は長い。
少女は身を縮め、朝日が差すのを待ち続ける。
だが、少女の祈りも虚しく、その異形はゆっくりと近寄り、獲物へと牙を向けていた。
巨木と、不安の為深く被った毛布が死角となり、
少女はそれに気が付かなかった。
たとえ気が付いたとしても、遅かった。
それだけ、魔物との距離は近かったのだ。
魔物は容赦なく、少女に襲いかかる。
ガバッ。
「……ッ!」
突如、何かが己に覆い被さる重みと衝撃。
あまりに突然の出来事に、声を上げることもできなかった。
そして同時に、上に乗っている「何か」が、甘い匂いの霧を放つ。
少女は霧を深く吸い込み、
自分が魔物に襲われたことに気付かないまま、意識を失った。
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