ARM
エッチな官能小説集
ある晴れた日曜日。
こうやって休日に出歩くのも何年ぶりだろう。
内臓の病気が原因で会社を辞めてから3ヶ月、
バイト先にようやく馴染みはじめた俺。
いわばフリーター、明日もはっきりしない身の上。
世間体のために追い出される形で実家を逃げるように去って、
今は安アパート暮らしである。
ようやく手持ちにも余裕がでてきたので、
電化製品のひとつでも買おうと、デパートの前まで来たのだが……ふと耳をすますと。
ギターの音色。
弾けるようで、それでいて心地よい。
(どこから?)
見ると僅かだが、人だかりができている。
俺がそこに向かうころには、もう音色は聞こえなくなっていた。
「女の子?」
人だかりが崩れていった先には、ギターを大切そうにしまう少女の姿があった。
なぜか右手を隠すような姿勢に違和感を感じたが、その理由はすぐにわかった。
(義手……。)
彼女の右手の手首より先には──ロボットのような機械のパーツがくっついていたのだ。
「そんなに珍しいかな?」
彼女の突然の質問に、答えに困った。
でもこれだけは言いたかった。
「ギター、上手だね」
俺がそういうと、彼女は照れながら答えた。
「まあ……好きだから」
その仕草は、年相応に可愛く写った。
おそらく高校生ぐらいだろう。
「ここでいつもギター弾いてるの?」
「そうだけど……今日はおしまい。」
ギターケースを左手で抱えあげ──その場から去ろうとする彼女。
「リフ忘れてるぞ。」
俺は彼女にそう言った。
「来週、また来るから預かっといて。」
彼女は屈託のない笑顔でそう言い放った。
「なんで初対面の俺なんかに……信用されたのかな?」
俺はリフを拾い上げると、
もうここからは見えなくなった彼女の向かった先に手を振った。
彼女との約束の数日前に──そのデパート付近にある楽器店に立ち寄った俺。
高校時代に、バンド(と呼ぶには全然未熟だったが)を一緒にしていた同級生が
働いてるショップである。
ちなみにそいつはギター、俺はヴォーカル担当であった。
「あの頃は無茶な練習でお互いに体ガタガタになるまでやってたな。」
「お前の体は先にガタが来ちまったけどな。」
正直笑えないジョークである。
まあ、旧友だから許せるのだが。
「で……そこでよくギター弾いてる女の子、知ってるのか?」
「ああ、もちろん。ウチも世話になってるからな。」
そいつの話によれば、彼女の名前は"みさき"といい、
一年程前からあそこでギターを弾いているらしい。
それ以上はあまり話したがらないみたいで、
そいつも正直それだけしか分からないらしいが。
俺としては、名前だけでもわかれば十分である。
とりあえず、約束の日まで待ち──聞きたいことは本人に聞けばいい。
帰り道、いかにも柄が悪そうな学生2人が俺の横を通り過ぎた。
特にからまれたりはしなかったが、彼らがなんとなく気になった。
約束の日──。
確かにみさきはそこに座って、右手で器用にチューニングを確認していた。
「やあ、早いね。」
それは俺のセリフだ。
今は朝の8時。
少なくとも路上に座ってる時間ではない。
そんな時間に来た俺も俺だが。
「はい。約束のリフ。」
俺は封筒に入れておいたリフを渡した。
「ありがとう。あなた、結構お人好しだね。」
一言多い。
お人好しはほめ言葉じゃないぞ。
そう言いたくなったが、まあいいだろう。
それより聞きたかったことがある。
「どうして、ここでギターを弾いてるの?」
「別に……ここが好きだから」
みさきは素っ気ない答えで、機嫌の悪そうな顔をした。
「今日はあんまし声かけないでくれるかな、気が散るから」
追い払うような目をして──俺を威嚇する。
「でも……」
「もういいでしょ、これ以上あなたとお話することはないから」
強い口調で言い放つみさき。
よくわからないが、俺は彼女を怒らせてしまったみたいだ。
仕方ないので、この場を去ることにした俺。
「なんなんだろう、いったい。」
一時間後。
俺はハッと気づいた。この前と今との違い。
この前はみさきの右手を気にせず話していたが、
さっきはチラチラと視線が右手にいっていたのだ。
みさきはそれが嫌だったのだろう──きっとそうだ。
彼女に謝ろう。
俺は気がつくと駆けだしていた。
その数十分前……。
みさきがいつものようにギターを弾いていると、
柄の悪い学生2人がみさきの周りを取り囲んだ。
「おお、けっこー可愛いじゃん」
「私に何か用ですか」
「そっけなくすんなよ、まあ仲良くしようぜ」
一人がみさきのギターを無理矢理奪い取る。
「こいつ、大事にしてんだろ……ブッ壊してやってもいいんだぞ」
「やめて!」
「じゃあ俺達と遊ぼうぜ」
「……」
「おい、そいつ持ってろ、この世間知らずのガキに怖さ思い知らせてやる」
「何するのよ」
「抵抗してもいいんだぜ、相棒がどうなってもいいならな」
「……っ!」
男はみさきの身体を押さえ込むと、
叫べないように口を押さえたまま、Tシャツを剥ぎ取る。
「んーっ!」
ブラジャーが露わになり、片方の手で乱暴に胸を揉まれる。
必死に暴れるも──完全に押し倒されて身動きがとれないみさき。
男の手がジーンズとショーツをすり抜けて、
直接に秘部へと侵入していくと、みさきは激しく抵抗した。
「痛ぇ!こいつ、手を噛みやがった……おい、見せしめだ、ソイツ叩き壊しちまえ」
「やめて!」
「うるせぇ、うらぁ!」
バキィ……!
木板が割れる音。
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