青空に向かって　<１日目>

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｢杏菜!!!早く起きなさい!!!遅刻するわよ!!!!｣

｢は?……い………｡｣

いつもと変わらない朝。

いつもと変わらない青空。
そして…いつもと変わらない新学期の始まり。
私、蒼井杏菜は今日から中学３年生。
今までイジメや人間関係、そして恋愛でイイ事なんか一つもなかった。
｢幸せ｣が何なのか分からなかった。
だから今日からは、今までの自分とは違う｢幸せになれる自分｣を作っていくんだ…。

ドンドンッ

｢ちょっと杏菜!!!早く起きなさいって言ってるでしょ!!!!何回言ったら…｣

ガチャッ

｢言う事聞くの!?でしょ??もう起きてるって?｣

今までの自分は周りに流されてばっかりで、自分という存在を消してた。
だからイジメられた。
悪口を言われ、関係のない奴らは見てみぬ振りをし、先生達には哀れな目で見られ、誰にも助けを求められなかった…。
でも、違うクラスの子が私を救ってくれた。
というか、他のクラスにも私がイジメられていた事は行き届いていたから救われたのかもしれない。
私はそれからというもの、救ってくれた子以外の人を信じれなくなってしまった。
イジメというのは本当に恐ろしい。
だけど、人の暖かさや親切さがすごくしみるのは、イジメられている時だけだと私は思う。

｢母さん、制服どこにしまった????｣

｢和室にあると思うわよ??昨日ハンガーに掛けといたから｡｣

｢はいは?い｡｣

この制服を着れるのも、あともう１年しかない。
この１年、本当に｢幸せ｣に過ごせるだろうか…。
また、イジメられないだろうか…。
だけど、今日からの私は今までの愚かな私じゃないんだ。
新しく生まれ変わって、必ず｢幸せ｣を掴んでみせる…!!
あの時の私はもういない…。
これからどんな事が待っていようと、今までの私みたいに愚かな事はしない…!!!
青空には雲一つなく、清々しく微笑んでいるようだった。

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